バリアフリー現地調査2019 奥飛騨


GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2019 現地調査 奥飛騨

令和元年11月29日

飛騨市神岡町の

ひだ宇宙科学館 カミオカラボ

高原郷土館

高山市奥飛騨温泉郷

ホテル穂高

新穂高ロープウェイ

を調査させていただきました。

奥飛騨は、紅葉の時期も終盤に近づき、冬の訪れを感じる装いでしたが、薄っすらと白く雪を被った山々、紅葉、晴れ渡る青空のコントラストが美しく、最後に訪問した新穂高ロープウェイで登った西穂高口駅(標高2156m)の屋上展望台からは、冠雪した壮観な北アルプスを間近に眺めることができました。

飛騨宇宙科学館 カミオカラボ

かつては鉱山の街として栄えた神岡町には、その跡地を利用して「ニュートリノ」の研究施設がつくられ、世界有数の宇宙と素粒子の研究拠点となっています。

大迫力の映像でスーパーカミオカンデの内部を体感できる「ワンダーシップ」。

小柴昌俊さんのノーベル賞受賞研究の元となった「カミオカンデ(現在はカムランド)」が存在し、現在は東京大学宇宙線研究所が運用する素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ」がニュートリノを観測しています。

「光電子倍増管」スーパーカミオカンデの内部を再現。
色々なゲームで宇宙物理学研究について学ぶことができます。

カミオカラボは、こうした研究の魅力を広く伝えるための場所となっており、映像やゲームなどで楽しみながら学べる施設となっています。

2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんと握手して記念撮影できるパネル。

国道471号沿いの道の駅「宙ドーム神岡」の中にあるので、駐車場、車イスマークのトイレ、レストラン、お土産店もあり便利です。

高原郷土館

カミオカラボから車で5分ほど、神岡の街並みを見渡せる高台にある高原郷土館は、神岡城、旧松葉家、鉱山資料館の3施設があり、手入れの行き届いた庭園と周りの山々の景観も美しい場所となっています。

薄っすら雪化粧をした山を背景にした神岡城。
大きな傘のような形をした紅葉は散り始めていましたが鮮やかな赤色が映えていました。
岐阜県有形民俗文化財に指定されている旧松葉家は、明治元年頃に建築された合掌造りの民家を移築したものだそうです。

12月から冬季休業に入るとのことで、植栽は雪吊りをし、建物も雪囲いをして冬支度をしている最中でした。
このあたりは、多い時で1メートル以上の積雪がある豪雪地帯だそうです。

建物内は段差や階段があり、車いすでの入館は困難です。
庭園は砂利敷ですが車いすでも埋まらず走行できました。
トイレ棟には車イスマークのトイレもあります。

レールマウンテンバイク・ガッタンゴーやカミオカラボとも近いので、紅葉の時期などに立ち寄ると良いでしょう。

ホテル穂高

神岡から国道471号線を経由して約30km、1時間弱で新穂高ロープウェイへ到着します。

ロープウェイの最初の乗り場「新穂高温泉駅」のすぐ横に「ホテル穂高」があります。

館内は、洋室、和室の客室と、大浴場、露天風呂、貸切風呂、レストラン、売店などがあり、窓から北アルプスの壮観な山々を望むことができます。

エレベーターやパブリックスペースに車イスマークのトイレも有り安心です。

駐車場からホテルの建物を見ると後ろに笠ヶ岳など北アルプスが見えます。
お食事処の窓からも雪を被った山が見えました。
ツインルーム室内には段差がなく、ベッドまわりも広々として使いやすくなっています。露天風呂付きの洋室もあります。
貸切風呂には、歩行が困難な方のため、脱衣室から浴槽まで座ってスライドできる椅子がありました。
すぐ隣にある新穂高ロープウェイ「新穂高温泉駅」

訪問した日は、リニューアル工事でホテルは休業中にも関わらず見学させていただきました。
ホテルはお休みでしたが、豊富な湯量の温泉は、かけ流しになっていて湯船に温かそうなお湯があったので思わず「温泉につかりたい・・・」と呟いたのでした、寒い日にはたまりませんね。

新穂高ロープウェイ 西穂高口駅

ホテル穂高から坂道を少しあがったところに新穂高ロープウェイの新穂高温泉駅があります。
正面は階段ですが建物脇にスロープが設置されていて車いすも問題ありません。

こちらへは2017年6月に訪問していますが、当日は強風で第2ロープウェイが運休となってしまったので、今回は第2ロープウェイで標高2156m「西穂高口駅」へ再チャレンジとなりました。

前回の様子のブログ
バリアフリー現地調査 「ガッタンゴー」と「新穂高ロープウェイ」

まずは前回と同じく、新穂高温泉駅から第1ロープウェイに乗り「鍋平高原駅」へ行きました。

標高1117mの新穂高温泉駅から第一ロープウェイに乗り鍋平高原駅へ向かうところ、まだ雪はありません。

下車して職員の方にサポートしてもらいスロープで、標高1308m「しらかば平駅」まで移動して、いよいよ第2ロープウェイへ搭乗です。

”日本唯一の2階建てゴンドラ”の第2ロープウェイは、約7分間の空中散歩。
ロープを中継する部分を超える時にフワッと宙に浮くような感覚があって楽しめました。

ロープウェイが進むにつれ標高が上がり、周りは一面銀世界になりました。

西穂高口駅は5階建てになっていて、ゴンドラの下の階は1階で下車し、エレベーターで屋上にある「山頂駅展望台」へ上がりました。
西穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳などの北アルプスの山々が 360度で迫るパノラマの景色は圧巻でした。

展望台は時折風も吹いていましたが、空が近く雪を纏った山に囲まれた景観に圧倒されました。
雪だるまの「にしほくん」と記念撮影、午後3時頃でマイナス6度でした。
日本最高所にある「山びこポスト」、下の売店で絵はがきを購入して送ることができます。木製のはがきもありました。
展望台は建物からスロープになっていて段差もなく、除雪されているので車いすでも問題ありませんでした。

前回は初夏で緑豊かな景色でしたが、今回は冬に入ったばかりの北アルプスの絶景を堪能することが出来ました。
標高2156メートル、マイナス6度の銀世界を車いすで体験できるのは、なかなかないのではと思います。

寒さが厳しい冬の奥飛騨ですが、また別の機会に3000m級の山が連なる北アルプスの素晴らしい景色と、寒い中で入る露天風呂をゆっくりと堪能してみたいと感じました。

ご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。