バリアフリー現地調査2018 高山近郊


GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 高山近郊

平成30年10月31日

MIBOROダムサイドパーク 御母衣電力館・荘川桜記念館

ウッドフォーラム飛騨

飛騨高山テディベアエコビレッジ

飛騨一宮水無神社

を調査させていただきました。

当日、高山周辺は、くもり空で日中でも気温が10度を下回る肌寒い日でしたが、秋も深まり標高の高いところでは木々が紅葉し黄色や赤の葉が鮮やかで、ひんやりとした空気と、色づく山々が美しい飛騨の秋を満喫しました。

紅葉する山
10月最終日、標高1000メートル近くの山は紅葉が進んでいました。

MIBOROダムサイドパーク 御母衣電力館・荘川桜記念館

MIBOROダムサイドパーク 御母衣電力館・荘川桜記念館外観
ダムのすぐそばの公園に、シルバーの近代的な外観の記念館があります

高山市荘川地区にある「御母衣(みぼろ)ダム」は、日本海へ注ぐ河川「庄川」に1960年に作られた巨大なロックフィル式の発電用ダムです。
ダム建設により湖底に沈む村にあった、樹齢400年の二つの老桜が移植され「荘川桜」として今もダム湖畔で咲き続けています。
ダムを見渡せる場所にあるダムサイドパークには、ダム・発電所のしくみと、荘川桜移植の物語を伝える施設、電力館および荘川桜記念館があります。

ドキュメンタリー映画の一幕、荘川桜の画像
電力館の御母衣シアターでは、150インチスクリーンで荘川桜移植のドキュメンタリーが見られます。
電力館2階のラウンジからは、ダムの全景をガラス越しに見られます。

自然に囲まれた閑静な場所にあり、館内からもダイナミックなロックフィルを間近に見られます。
エレベーターや車イスマークのトイレもあり、快適に過ごせます。

荘川桜世界遺産白川郷にも近いので、あわせて訪れると良いでしょう。

ウッドフォーラム飛騨

御母衣ダムのある高山市荘川地区(旧荘川村)から同じ高山市内の清見地区(旧清見村)へ移動しました。
高山市」は、日本で一番面積の広い市で東京都や香川県よりも広く、大部分が山林のため、市内の移動も場合によっては高速道路を使うのが便利です。

庄川沿いに国道158号線を下り30分ほどの「白川郷IC」から、東海北陸自動車道を岐阜方面へ1区間戻った「飛騨清見IC」から、高山清見道路の「高山西IC」を降りて「せせらぎ街道」を少し走ったところ、高山市清見地区にウッドフォーラム飛騨があります。

ウッドフォーラム飛騨外観
飛騨の匠の技が生きる木造モデル施設。「森の中を羽ばたく鳥の姿」をイメージした外観。

飛騨を中心に活動する、木工、陶芸、彫金、ガラス、彫刻などの工房の作品を展示販売する他、清見でとれるラベンダー製品も販売されています。

ウッドフォーラム飛騨館内
木のぬくもりが優しい館内には、オリジナリティあふれる作品が沢山並んでいます

駐車場も広く、館内には飛騨清見観光協会やイベントのためのスペース、野外ステージ、近くにはラベンダー園もあり、季節ごとに色々な催しが行われています。
駐車場から建物正面は、屋外の階段となっていますが、建物向かって左奥の方へなだらかな斜面を進むと、階段を迂回できます。建物の基礎部分にもスロープが設置されているので、車いすでも館内へ入ることが出来ます。
駐車場、館内の2箇所に車いすで利用できるトイレもあります。

ウッドフォーラム飛騨館内 ラベンダーグッズ販売
清見ではラベンダー栽培も盛んに行われています

郡上と高山を結ぶ「せせらぎ街道」沿いで、野菜の直売所や食事処もあるので、新緑や紅葉ドライブ、飛騨高山郡上八幡へ行く途中で立ち寄ると良いでしょう。

飛騨高山テディベアエコビレッジ

清見から高山市内方面へ少し行ったところ、昨年調査した飛騨の里飛騨高山美術館のすぐ近くに、築200年の古民家を使用した館内に数百体のテディベアが集められた、テディベアの博物館「飛騨高山テディベアエコビレッジ」があります。

飛騨高山テディベアエコビレッジ外観
古民家を再生・改装した建物は、古風な外観と和洋モダンな館内の違いも楽しみです
飛騨高山テディベアエコビレッジ
エコミュージアムのポイントを押さえて観覧しましょう

雪国独特の古民家を改装してあるため、外観は急勾配の屋根が茅葺(表面にトタンで補強)となっていて、館内に入ると、雪に耐えるようしっかりと組まれた柱や梁などが目に付きます。

飛騨高山テディベアエコビレッジ内部
冬には薪ストーブであたたか。後ろの壁は、挾土秀平氏の作品だそうです

新旧、大小さまざまなテディベアが各所にいて、レンガやアンティーク調の内装と、黒く太い柱や漆喰の壁が、うまくマッチして独特の落ち着いた空間にまとまっています。
薪ストーブの部屋の壁や、隣のカフェの内外壁は、飛騨高山の左官職人「挾土秀平」さんが20年前に施工されたものだそうです。(この壁を目当てに訪れる方もいるそうです)

飛騨高山テディベアエコビレッジ内部
愛・地球博(愛知万博)で出展された巨大なテディベア。搬入はバラして行なったそうです。

高山駅からは少し離れていて、小高い山の途中にあるので、徒歩よりも車やバスで行くのが無難です。
飛騨の里飛騨高山美術館も近いので、山の景色を楽しみながら散策がおすすめです。

飛騨一宮水無神社

高山市内の飛騨の里エリアから国道41号線を10分ほど南下すると、旧・大野郡宮村の高山市一之宮町に入ります。国道からすぐ、JR飛騨一ノ宮駅の近くに「飛騨一宮水無神社」があります。

飛騨一宮水無神社境内
飛騨国の鎮守として古くから崇められてきました

神社の歴史は古く、平安時代頃からあるとされていて、昭和になってから現在の場所に建てられ、南西部にある1000m級の山「位山(くらいやま)」を神体山として祀っているそうです。

飛騨一宮水無神社拝殿内
拝殿は参道から階段を登った場所にありますが、脇道から建物に入れるようスロープも設置され、車いすでもご祈祷できます

年末年始や行事の際には、多くの参拝客で賑わうとのことですが、車いすで利用できるトイレもあり、奥の駐車場からは段差なく境内まで行けるようになっています。
ご祈祷するための拝殿も、車いすのタイヤを拭いて館内まで行けるようになっており、また畳で長時間正座しなくて良いよう可動できる椅子が置かれていて、お年寄りや七五三などで訪れるお子様にも利用しやすいよう配慮されていました。

静かな森のなかに佇む神社は、松や銀杏の大木に囲まれた厳かな雰囲気でした。

調査へのご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。