バリアフリー現地調査2019 岐阜市2

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 岐阜市

平成31年3月5日

ホテルパーク

鵜飼観覧船造船所

を調査させていただきました。

ホテルパーク

金華山とホテルパーク
金華山を背景にしたホテルパーク

岐阜市の長良川河畔に佇む、老舗旅館「ホテルパーク」を見学させていただきました。
金華山の麓に建ち、春は長良川堤・護国神社の桜、夏は長良川鵜飼の総がらみを目の前で眺めることが出来る立地です。
露天風呂からも、金華山頂の岐阜城、長良川の景色を一望でき、四季の移り変わりを感じ取ることが出来ます。

ホテルパークへの出入り口
エントランス・地下駐車場へ

道路から入口へは斜面になっていますが、玄関前はフラットで屋根があり、雨でも濡れずに車から乗降できます。

車いすマークの駐車場
屋根付きの車いすマークの駐車場

玄関を通過すると、車いすマークの駐車場と左側に一般駐車場もあります。

玄関横のスロープ
入口には階段、横にスロープ
広い玄関ホール
玄関ホール

自動ドアから館内に入ると、右側にフロント、正面にエレベーターと階段、左側にロビーがあります。

貸し出し用の杖
貸出用の杖
テラス側の長良川の風景
ロビーから見える長良川

ロビーはガラス張りになっていて、長良川の風景が一望できます。

お土産物コーナー
ロビーの売店

売店では、信長に関係するグッズや、岐阜のお土産など色々なものが揃っています。

川端康成の常設展示パネル
川端康成のパネル

大正時代に、川端康成がホテルパークを訪れ初恋の物語「篝火」や「非常」「南方の火」を書いたそうです。
近くの公園「ポケットパーク名水」では、若い日の川端康成と初恋の人の篝火の像が、長良川鵜飼の篝火を眺めています。

ホテルパークの歴史の常設展示パネル
ホテルパークの歴史
喫煙コーナー
喫煙コーナー
ダイニング「つぶらじい」
1階にある朝食会場「つぶらじい」

東側と南側がガラス張りになっていて開放的な朝食会場です。

パーティー会場
長良川と公園に面したパーティー会場
車いすマークの点字
4階にある車いすマークの看板には点字表示
車いすマークの多機能トイレの中
車いすマークのトイレの内部

4階のパブリックスペースに設けられた車いすマークのトイレは広く、ベビーベッドも設けられ利用しやすくなっています。

77室ある客室は、和室、 和洋室、洋室など様々なタイプがあり、今回は車いすで利用しやすそうな客室を見学させていただきました。

仮設スロープ
室内の段差をスロープで解消

和洋室で2ベットの部屋は、室内に段差がありますが、特製のスロープを設置して車いすも入室でき、ベッドは畳の部屋の奥にありますが、畳の上に敷物を敷いて車いすのまま上がるようにも対応できるそうです。

洗面台・トイレ・浴室への出入り口
洗面・トイレ・浴室への入口
洗面台
洗面台は車いすでも膝があたりませんでした
広々とした明るい和室
長良川に面した畳の部屋
ベッドルーム
畳の部屋の奥にカーペット敷きでベッドがあります(高さは40cm)

 

客室からの長良川の風景
客室からの長良川の風景
ソファーベッドがある和室
ベッドとして使用できるソファーが置かれた和室
ツインルームの洋室
金華山が見える洋室ツインルーム

洋室は2階、3階、5階にもあり、全部で8室あります。
車いすで回転できる広さもあり、ベッドの高さは43cmでした。

6階に、長良川に面した展望風呂と露天風呂「川の湯」、金華山に面した展望風呂と露天風呂「山の湯」があります。

広い脱衣場
椅子やシャワーキャリーも常備
展望風呂「川の湯」
長良川に面した展望風呂「川の湯」
露天風呂「川の湯」
長良川に面した露天風呂「川の湯」

鵜飼観覧船造船所

鵜飼観覧船造船所の正面出入口
鵜飼観覧船造船所入口

ホテルパークの裏側(南)に、隣接して鵜飼観覧船造船所があります。
岐阜市が管理運営する長良川鵜飼のための鵜舟や観覧船を作っていて、全国で唯一の公営の造船所だそうです。
敷地内では実際に船が作られていますが、日中は開放され自由に見学ができるようになっており、説明パネル等も設置されています。

実際に使用していた鵜船
鵜船
船底を修理作業中の鵜船
船底を修理中の鵜船
新しく造船中の鵜飼観覧船
新しく造船中の鵜飼観覧船

定員15名乗の観覧船が作られていました。
船材は、岐阜県産の高野槇(コウヤマキ)を使用しています。
船には設計図面が無い為、船大工の経験による匠の技により建造され、その技術は、市指定無形民俗文化財となっています。

調査を終えて

今回伺った、ホテルパークは老舗旅館で、長良川の畔、金華山の麓、岐阜城も見える場所にあります。
客室は、ベッドのある和洋室、洋室、ソファベッドの和室など、車いすでも利用しやすい色々なタイプの客室がありました。
室内の段差には特製のスロープが用意され、畳の奥のベッドへは敷物を敷いて車いすのまま上がれるようにするなど、ハード面の難しさも工夫して対応されている心配りが嬉しく感じました。
桜の時期や、夏の鵜飼の季節などに訪れ、ゆったりと過ごしたい居心地の良い宿でした。

調査へ協力して下さった皆さま、お忙しい中有難うございました。

今回の調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。

バリアフリー現地調査2019 岐阜市1

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 岐阜市

平成31年2月26日

十八楼

調査させていただきました。

十八楼

長良川河畔に佇む十八楼
長良川河畔に佇む十八楼

岐阜市の長良川河畔にある、老舗旅館の「十八楼」を見学させていただきました。
奥の細道の俳人、松尾芭蕉により、この水楼から眺める景色の美しさや、 鵜飼を眺める風情に心を惹かれ「十八楼」と名付けられたそうです。

十八楼と時季の蔵
長良川河畔の古い町並みを残す川原町にある「十八楼」

十八楼は、川原町の古い町並みの一角にあり、道を挟んだ向かいにレストラン「時季の蔵(ときのくら)」と、駐車場があります。

長良川温泉の手湯
玄関脇にある長良川温泉の「手湯」

エントランス・ロビー

玄関入り口
幅広い自動ドアの玄関

入口の緩やかなスロープの左手にフロントがあり、奥にはロビーへの階段がありますが、右手にスロープがあり車いすやベビーカーも通れる手すりのついた通路もあります。

貸し出し用の車いす
車いすを常備
広く明るいロビー
長良川に面してガラス張りで明るいロビー

ロビーはガラス越しに長良川河畔の景色が一望でき、松尾芭蕉の句碑もあります。
車いすでも膝が当たらない高さのテーブルもあります。

パブリックスペース

腰掛けられる待ちスペース
エレベーター前の休憩スペース

館内にはエレベーターが4基あり、車いすが乗れる十分な広さがあります。

車いすマークの多機能トイレ
車いすマークのトイレ

3階に車いすマークの多機能トイレがあります。間口も広く車いすが回転できる十分な広さがあり、ベビーベッドも備えています。

タイル敷きの通路
車いすも通行しやすい通路

施設内の通路は、中央部分がタイル敷で平坦になっていて、車いすも楽に走行できました。

名人戦の対局会場
名人戦の会場にもなりました

将棋の第75期名人戦、第4局(佐藤天彦名人・稲葉陽八段)は、ここ十八楼で行われたそうです。

食事会場など

長良川に面した宴会場
長良川に面した宴会場

テーブル席の宴会場があり、床はフローリングで広く、長良川の景色を楽しみながら食事ができるようになっています。

レストラン橘
レストラン「橘」

5階には新しく出来た、木の香りが溢れるレストランがあります。
全席テーブル席で、床はカーペットで通路も広く、テーブルは車いすでも膝が当たらず使い易くなっています。
ロールカーテンで仕切って使用することも出来るそうです。

大浴場

「川の音」大浴場1

大浴場「川の音」には、薬草風呂やシルキーバスがあります。

「川の音」大浴場2

露天風呂もあり、長良川を一望出来ます。

長良川温泉「蔵の湯」

2階には、明治時代の太い柱と梁の蔵を移築復元した「蔵の湯」の温泉があります。
長良川温泉は特徴のある赤茶色のお湯で、湯船には階段と、周りを囲うように手すりが設置されて、足腰の弱い方にも安心して利用できるよう配慮されています。

客室

和室ベッドの客室
露天風呂付きの和室/ベッド(ツイン)

露天風呂付きの和室/ベッド(ツイン)の客室は、畳敷きの和室にベッドが二つ置かれています。
高齢の方など、普段からベッドを使用している方にも配慮し、トイレ、浴室、洗面台は、広めで使いやすくなっています。

露天風呂
長良川を一望できる露天風呂

 

洋室(ツイン)

洋室(ツイン)は、長良川に面したとても眺めの良い部屋です。
フローリングにベッドが二つあり、室内の通路も広く使い易くなっています。

土蔵レストラン「時季の蔵」

土蔵レストラン
「時季の蔵」の入口

「時季の蔵(ときのくら)」は、120年前に建てられた土蔵を持ち上げて移動させる曳家(ひきや)で復元改装した、川原町の古い町並みの景観に溶け込んだレストランです。飛騨牛などの岐阜の素材を使った料理が楽しめます。

調査を終えて

今回、調査させていただい十八楼は、江戸時代からの歴史のある老舗旅館で、和の趣を大切にしながら、様々なお客様に安心して滞在していただけるよう段差等のバリアを上手く解消し、畳の和室にベッドを入れたり、フローリングの洋室を導入したりと、高齢のお客様や歩行が困難なお客様にも対応した心配りの宿でした。

客室からの長良川の眺め
長良川の畔に建っているので、客室のほとんどが長良川に面しており、四季折々の清流の景色を楽しめます

客室からは長良川の美しい景観が眺められ、鵜飼や桜、信長の岐阜城も近く、機会があれば一度泊まってみたいなと思いました。

取材へ協力して下さった皆さま、お忙しいところ有難うございました。

今回の調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。

バリアフリー現地調査2019 安八百梅園

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 安八

平成31年2月12日

安八百梅園

を調査させていただきました。

安八百梅園

安八百梅園の石碑
入口近くにある安八百梅園石碑

安八町にある梅の名所、安八百梅園に行ってきました。
100種類以上1200本以上の梅の木が植えられ、種類の多さでは全国屈指の公園だそうです。

今年は、2月24日から3月24日まで「梅まつり」が開催されます。
うどんやみたらし団子、ぜんざいなどの各種バザーのほか、安八町内の新鮮野菜・農産加工品、特産品の販売のほか、盆梅展も開催されます。

例年、2月中旬から満開を迎える百梅園ですが、今年は梅の開花が10日ほど遅れているそうです。
私たちが訪れた時は、白梅は所々咲いていましたが、紅梅は蕾(つぼみ)で、チラホラと花が咲きはじめている状態でした。

安八百梅園案内図
安八百梅園案内図

駐車場は、ふれあいセンターの前、浄化センターの前と東側道路の向かいになります。

梅の木は、ふれあいセンター北側と浄化センター敷地に沿って植えられています。

ふれあいセンター
ふれあいセンターと駐車場

百梅園は、入園料・駐車場料金は無料で、休園日もありません。

車いすマークのトイレ
車いすマークのトイレがあります

ふれあいセンターの中には、車いすマークのトイレもあり自由に使えます。

ふれあいセンター東側通路
ふれあいセンター東側通路から百梅園へ

紅梅、白梅、しだれ梅など多くの種類の梅があり、全国2位、県内では1番だそうです。

園内の通路は舗装され段差もなく傾斜は緩やかで、車いすでも問題ありません。

屋根付きの休憩所
屋根付きの休憩所

通路から休憩所までは土面で、入り口に少し段差がありますが、車いすでも何とか中に入れます。

ピンク色の八重咲きの梅
ピンク色の八重咲きの梅

蕾(つぼみ)が膨らみ、ピンク色で八重咲きの可憐な花を見つけました。

浄化センターの梅の木
浄化センターにもたくさんの梅があります
白色の八重咲きの梅
白色で八重咲きの梅は満開

こんなに多くの種類の梅が咲く公園が、身近にある事を知りませんでした。

舗装され、トイレも整備され車いすでもアクセスの良い安八百梅園で、春の陽気を楽しみながら、のんびりと梅を鑑賞するのも良いと思います。

協力いただいた皆さま、有難うございました。

今回の調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。

バリアフリー現地調査2018 大野・揖斐川(谷汲)

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 大野・揖斐川(谷汲)

平成30年11月30日

黒野駅レールパーク

両界山横蔵寺

里山きさら

を調査させていただきました。

黒野駅レールパーク

大野町にある新しいテーマパーク、黒野駅レールパークに行ってきました。
ここには2005年に廃線した名鉄揖斐線の黒野駅の駅舎を再利用した黒野駅ミュージアムのほか、プラットホームやレール等が当時の雰囲気を残し保存されています。
西側には芝生広場があり、遊具やベンチも置かれ交流拠点になっています。

黒野駅レールパークの全景
黒野駅ミュージアムの前では赤白電車(モ512号)の看板が出迎えます
プラットホームと線路
線路に沿って遊歩道が伸び、横に駐車場があります
黒野駅ミュージアムの出入り口
黒野駅ミュージアム入口
黒野駅ミュージアムの構内
旧黒野駅の待合室の面影を残した構内、プラレールの遊び場があります
総合案内所
旧黒野駅の窓口は総合案内所になっています
「カフェくろの」の店内
カフェくろの

ミュージアム1階にはカフェがあります。店内は広く、壁には赤白電車(モ512号)などの写真が飾られ、揖斐線や谷汲線に関する写真書籍なども閲覧出来るようになっています。
店内のテーブルや椅子は自由に動かすことが出来、高さも車いすでも使いやすくなっています。

手作りの焼き立てパン
カフェでは、手作りのパンも販売しています
カフェの階段
カフェの2階には階段で上がります

2階には鉄道ジオラマが展示されています。
2階へは階段のみなので、2階に行くのが困難な車いすの方などのため、2階の様子をWEBカメラで撮影しカフェのモニターに映しています。

名鉄電車が走る大型のジオラマ
大野町内を名鉄電車が走る大型のジオラマがあります

ジオラマは4メートル四方の大きなもので、黒野駅を中心とし駅舎や黒野地域の古い街並み、公共施設など廃線となった鉄道界隈を精巧に再現しています。
これらは、揖斐線廃線10年を記念し、昔走っていた赤白電車がレールパークに2014年に里帰りするのにあわせ、地域住民が段ボールなどの廃材を持ち寄り、1年をかけコツコツ作り上げたそうです。
鉄道模型は、赤白電車等150分の1サイズの鉄道模型(Nゲージ)を使用しています。

パネル写真の数々
名鉄の赤電車や赤白電車が走っているパネル写真が展示されています

ミュージアム外観と同じ車いすマークのトイレがあり、段差がなく車いすでも利用できます。

車いすマークの公衆トイレ
段差はなく車いすでも問題ありません
多機能トイレ
車いすマークのトイレは引き戸で、室内は広く車いすが回転できます
遊具やベンチがある芝生公園
ホームの北側には遊具やベンチが置かれています
西側からの黒野駅レールパーク
西側の線路の終端からの黒野ミュージアム方面の景色
プラットホームと、手作りの赤白電車
ホームに手作りの赤白電車が置かれています。クリスマスに合わせ電飾のトンネルもありました

 

両界山横蔵寺

大野町から移動し、揖斐川町谷汲神原にある横蔵寺を訪れました。
天台宗の寺院で、山号は両界山、本尊は薬師如来、西美濃三十三霊場第一番札所になっています。
紅葉の名所でもありシーズンには多くの参拝客が訪れます。
「横蔵寺もみじまつり」も開催され、紅葉のライトアップは人気です。

もみじと赤い医王橋
赤い医王橋と白壁と紅葉のコントラストが美しい
正門横の駐車場
一番近い駐車場は正門横になります
正門入り口の石段
正門の石段を登り飛鳥川にかかる医王橋を渡って左に行くと山門があります
横蔵寺境内への迂回路
正門入口には石段があるので、車いすは道路を進みます
横蔵寺境内への迂回路
車いすの迂回路は傾斜が急になっていきますが、さらに道なりに進みます
横蔵寺境内案内図
境内案内図に従い、一番奥の赤い橋を目指して進みます
赤い橋と観音堂
赤い橋を渡ると観音堂があります
かなり急な石畳
観音堂から本堂・三重塔へは、急な石畳を登っていきます
横蔵寺の本堂
横蔵寺の本堂

1671年(寛文11年)に完成した檜皮葺(ひわだぶき)の入母屋造りの本堂は、岐阜県指定重要文化財になっています。

横蔵寺の三重塔
香堂の奥にある三重塔

1663年(寛文3年)に完成した、檜皮葺の三重塔も、岐阜県指定重要文化財になっています。

横蔵寺の仁王門
山門(仁王門)

医王橋を渡り左に行くと山門(仁王門)がそびえ立ちます。
檜皮葺(ひわだぶき)の楼門、二階は鐘楼です。1675年(延宝3年)に完成し、岐阜県指定重要文化財になっています。

舎利殿と瑠璃殿は、飛鳥川を挟んで、本堂とは反対側の小高い所にあります。

舎利殿と瑠璃殿
舎利殿と瑠璃殿
舎利殿への石段
舎利殿までは少し急な石段です
車いすのための迂回路
舎利殿への迂回

車いすは迂回路を通り舎利殿へ行くことが出来ますが、とても急で長い坂道になっていますので、車いすの場合は介助があったほうが安全です。

公衆トイレ
迂回路の途中のトイレ
小高い所にある舎利殿からの眺望
舎利殿からの眺め、木々の向こうに観音堂と赤い橋が見えます
横蔵寺の舎利殿
舎利殿の正面の階段

横蔵寺舎利殿には、横蔵生まれの妙心上人の舎利仏(ミイラ)が安置されています。妙心上人は1781年(天明元年)生まれで、両親が亡くなった後、諸国を巡って修行し1815年(文化十二年)現在の山梨県で入定し祠られていたが、明治になって出身地の横蔵寺に祠られるようになりました。

横蔵寺の瑠璃殿
瑠璃殿正面の階段

横蔵寺瑠璃殿は、国指定重要文化財の仏像二十二体が安置してあり、「美濃の正倉院」とも呼ばれています。

里山きさら

横蔵寺から移動し、揖斐川町谷汲長瀬にあるシカやイノシシなどのジビエ料理が味わえるカフェレストラン「里山きさら」に行ってきました。

「里山きさら」の建物
山に囲まれた田園の中にある木造の落ち着いた雰囲気
駐車場の出入り口
岐阜市から谷汲山華厳寺方面に行く県道49号沿いにあります
入口は段差なく二重扉になっています
店内トイレの内部
トイレは車いすでも利用しやすくなっています
店内の様子
木の香りが漂い明るい店内
ジビエについての説明
黒板にはシカとイノシシの肉の部位についての説明
テラスに面した長テーブル
南側のテラスに面したテーブルは車いすでも利用しやすい高さです
南側の広いオープンテラス
南側の広いオープンテラスには、BBQが出来る設備があります
東側のオープンテラス席
お店の東側にも、オープンテラス席があります
レジ横では持ち帰りの自家製生ハム、ソーセージ、サラミなどを販売しています

 

今回、最初に訪れた「黒野駅レールパーク」では廃線となり使われなくなった黒野駅を、子どもやお年寄り、障がいのある方など誰にも優しい公園に整備し、イベントなどを通じ交流の場になっていることを知りました。
次に訪れた「両界山横蔵寺」は「ミイラ」があることで有名になっていますが、それ以外にも、三重塔、仁王門、瑠璃殿の中の仏像など歴史的にも貴重な興味深い重要文化財が数多くあることに驚きました。
そして、最後に訪れた「里山きさら」は、谷汲の自然に囲まれた静かな里山の自然に浸りジビエ料理を食しながら、ゆったりとした時間を過ごせるお店でした。

取材へ協力して下さった皆様、お忙しい中有難うございました。
今回の調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。

バリアフリー現地調査2018 岐阜

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 岐阜

平成30年11月20日

みんなの森 ぎふメディアコスモス

加藤栄三・東一記念美術館

ぎふ金華山ロープウェー

を調査させていただきました。

みんなの森 ぎふメディアコスモス

メディアコスモスの全景
青く澄みきった空とメディアコスモス

澄み切った秋空の日、岐阜市の「みんなの森メディアコスモス」に行ってきました。
ここは図書館のほか地域交流機能を持つ複合施設で、岐阜大学医学部付属病院跡地の市街地再発開発事業として整備されました。
JR岐阜駅や名鉄岐阜駅から北に約2kmの、岐阜城のある金華山近くに位置しています。
現在、すぐそばで岐阜市役所の新庁舎を建設中です。

車いすマークの駐車場
立体駐車場の2階のエレベーターの近くに、車いすマークの駐車場(妊婦・乳幼児連れ用)スペースが5台分あります

メディアコスモスの東側に隣接して立体駐車場があります。
駐車料金は、本館1階の総合案内で、身体、精神、療育の手帳を提示して半額割引が受けられます。(2時間までは無料)

屋根つきの通路
駐車場から本館東エントランスへの屋根つきの通路
メインエントランス
「メインエントランス」二重の自動ドア、外側にマットが敷かれています
エスカレーターと階段
メインエントランス正面にエスカレーターと階段
総合案内所
メインエントランス正面「総合案内所」

総合案内では、館内やイベントの案内、ベビーカーや車いすの無料貸し出しなども行っています。

多文化交流プラザ
「多文化交流プラザ」いろいろな国の人が集まり、学び、活動できるスペースです

メインエントランスから左奥へ行ったところには多文化交流プラザがあり、外国人市民のために日本語講座や多言語(英語、中国語、タガログ語、ポルトガル語)による生活相談窓口も開設しています。

ドキドキテラス
メインエントランス横「ドキドキテラス」

メインエントランス右側のドキドキテラスは、展示・イベントのスペースで、文化活動や市民活動の発表・交流の場として活用されています。
通路よりも少し低い位置にスペースが設けられ階段のようになっていますが、テラスの端のスロープで、車いすやベビーカーも中央に行けます。

車いすマークの多機能トイレ
東エントランスの車いすマークの多機能トイレ

車いすマークの多機能トイレは、1階、2階それぞれに3ヶ所づつあります。
どこのトイレも広く、オストメイト、ユニバーサルシートやフィッティングボードなどの設備があります。

みんなのギャラリー
東エントランス横「みんなのギャラリー」

みんなのギャラリーは、平面的作品や立体的作品など様々な展示が出来る貸し出しスペースです。

みんなのホール
みんなのギャラリーの奥にある「みんなのホール」

みんなのホールは、200席程度の小規模のホールです。
座席の前後の間隔が広くとられ、最前列に車いす席が設置できるスペースもあり、舞台前までのスロープもあって利用しやすくなっています。スロープは、幅が広く傾斜も緩く、手すりもあり、点字ブロックも敷かれています。

2階は図書館となっていて、メインエントランスから階段、エスカレーター、エレベーターで行くことが出来ます。
図書館に上がると、うねる格子の天井が間近に見られます。

半透明のグローブ
図書館は木造格子状の屋根が大きくうねり、半透明のグローブがあります
大きく波打つ天井
金華山から続く山並みを連想させ、大きく波打つようにうねった天井は、細長いヒノキの板を正三角形に見えるように組んで造られています

鉄筋コンクリート・鉄骨・木造が入り混じった造りなど、建築物としての評価も高く、建築に携わる人や学生など、県外からも多くの人が見学に訪れています。

グローブの下のコーナー
大小さまざまなグローブの下は、いろいろなコーナーになっています
グローブの内部
グローブの中央の穴から溢れる外光と丸い照明が、森の中にいるような空間を作っています

川舟型読書スペース

「川舟型読書スペース」川舟型読書スペースは、長良川に浮かぶ舟のイメージで、日常とは違った気分で読書を楽しむことが出来ます。

対面読書のへや
対面読書のへや

対面読書のへやでは、視覚に障がいのある方のために図書館にある本を職員が朗読するサービスを行っています。
その他にも、視覚に障がいのある方のために、点字資料の貸出・閲覧も行っています。

1階、2階それぞれに「子ども用トイレ」もあります
金華山テラス
「金華山テラス」眼の前に金華山と岐阜城がよく見えます

メディアコスモスは「みんなの森」とあるように、お年寄りや子ども、車いすやベビーカーなど、誰でも集いやすいよう、段差をなくし、通路には屋根を付けたりと使いやすさに配慮して作られていました。
ユニークな外観や構造だけでなく、居心地も良く再び訪れたくなるところでした。

メディアコスモスのWEBサイトには、バリアフリーの情報も詳しく掲載されています。
バリアフリー|みんなの森 ぎふメディアコスモス

加藤栄三・東一記念美術館

メディアコスモスの後、少し北東の岐阜公園の中にある「加藤栄三・東一記念美術館」に移動しました。

岐阜市歴史博物館の分館となっていて、金華山ロープウェー乗り場の横にあります。
漆喰の白壁と平板瓦の屋根の蔵をイメージする建物は、周囲の自然と良く調和しています。
館内には、岐阜市出身の兄弟画家、加藤栄三・東一両氏の作品を収蔵、展示しています。

加藤栄三・東一記念美術館
正面には7段の階段があります
車いす使用者のための迂回路
車いすは、建物横のスロープから入館
総合案内所
入口右側に案内所があります

車いすの貸し出しがあり、筆談にも対応しています。
身体、精神、療育の手帳の提示で本人と付添1名は入館料が無料となります。その他、市内の70歳以上の方も無料となるそうです。

絵道具の展示
第1展示室、加藤栄三・東一の写真、愛用した道具も展示されています
数多くの作品展示
栄三の「鵜飼(総がらみ)」、東一の「砂丘」「女人」などが展示されています
16世紀の竈
ロビーには、歴史博物館建設時の調査で見つかった16世紀の竈が復元されています
もうそうきんめいちく
裏庭のモウソウチクの変種「孟宗金明竹(もうそうきんめいちく)」

ぎふ金華山ロープウェー

加藤栄三・東一記念美術館の後は、横にある金華山ロープウェー乗り場へ移動しました。

このロープウェーは、金華山の麓と山頂を結び、山頂にある岐阜城へ行く手段にもなっており、新緑や紅葉、鵜飼の季節は、多くの観光客で賑わいます。

金華山とロープウェー
紅葉がはじまった金華山
正面左側の出入り口
麓駅左側入口、スロープと自動扉になっています
金華山麓駅の構内
賑わう麓駅構内
金華山ロープウェイ
車いすも乗車できます

麓駅のゴンドラ乗降場所までのルートには階段があり、エレベーターなどもありませんが、車いすでもスタッフのサポートで乗車することが出来ます。
但し、車いすの種類や大きさなどによって対応が難しい場合や、貸出用の車いすに乗り換えての対応になることもあるそうです。
(車いす使用者が多い場合や混雑時、スタッフが少ない時などは、待ち時間が長くなったり、すべての要望に応えるのが困難なこともあるので、事前に連絡して確認してもらうと良いとのことです)

 

1つ目の階段
車いすサポートの様子
ロープウェーからの眺望
ロープウェーからの眺望

ロープウェーが動き始めると、紅葉した金華山、眼下には岐阜市内の街並みの中央を流れる長良川、そして遠くの山々までも眺めることが出来ます。

段差と隙間
利用した時には、ホームとロープウェーには段差はほとんどありませんでしたが、乗員数によってはゴンドラ側が重さで下がることもあるようです
リス村入口
山頂駅から岐阜城方面にある階段

山頂駅に到着して、すぐ隣にあるリス村へ行きました。
(岐阜城までの道は、坂道や石段となっていて、車いすで行くのは困難です)

石畳のスロープ
リス村入口は石畳で坂になっているので車いすはバックで下ります
リス村の中
リス村はフェンスで囲まれ中央に止まり木が置かれています
リスへの餌やり
革手袋をして餌やりもできます
可愛いリス
餌を上手に食べる可愛いリス

金華山には野生のリスがたくさん生息していますが、昭和11年に「躍進日本大博覧会」が岐阜公園で開催された際、タイワンリスが見せ物として多数持ち込まれ、この時のリスが逃げて野生化したと言われています。
リス村のリスたちは、そのタイワンリスの子孫だそうです。

岐阜城への急な階段
岐阜城までは急な階段が続きます
雄大で美しい岐阜城
金華山の頂上にそびえる、織田信長も居城した岐阜城
岐阜市街と長良川
帰りのロープウェーから見下ろす、岐阜市街と清流長良川

これまで金華山ロープウェーに、車いすで乗車できないと思いこんでいましたが、今回、麓駅の「車椅子でご乗車の方は、遠慮なくお申し出下さい」という張り紙を見て驚きました。
力強い職員の皆さんのご協力で、車いすでも山頂駅にたどり着くことが出来ました。
急な石段があって岐阜城へ車いすで行くのは難しく断念しましたが、ゴンドラや山頂駅から岐阜市街を流れる長良川や遠くの山々を眺め、しばしの間その眺望に浸り、小さなかわいいリスたちと触れ合うことも出来ました。
晴天の秋空のもと、紅葉した金華山、そして岐阜公園を満喫できました。

取材協力して戴いた三施設の方々、親切、丁寧な対応有難うございました。

今回の調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。