バリアフリー現地調査2018 馬籠宿

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 馬籠宿

平成30年10月30日

馬籠宿
藤村記念館

を調査させていただきました。

馬籠宿

馬籠宿(まごめじゅく)は中山道の江戸日本橋から43番目の宿場になります。
急な山の尾根に沿った道は急斜面で、その両側に石垣を築いて屋敷を造る「坂のある宿場」が特徴です。
道の脇に土を盛って塚を築いた一里塚、宿場の入り口に道路を直角に2度曲げた桝形(ますがた)、本陣・脇本陣の痕跡などが残っています。

馬籠宿の特徴である坂道の桝形(ますがた)です
道の両側には、おやき、五平餅、お土産の店が並んでいます
名物の栗こわ飯がある食事処。民芸品を販売する店もあります

 

馬籠脇本陣史料館は、当時に復元された上段の間や使用していた家財や什器などを展示しています
街道のほぼ中央に観光案内所、休憩所もあります

観光案内所には、多目的トイレもあり、段差は木製のスロープで解消されていますが、路面は石畳なので凸凹があり車いすでの通行は注意が必要です。

観光案内所の多目的トイレです

車いすの場合は、下駐車場の横の多目的トイレの方が段差がないので利用しやすいと思います。

下駐車場の横の多目的トイレ外観
下駐車場の横の多目的トイレ内部

馬籠宿の街道は、石畳で急斜面になっており、車いすが「上入口」または「下入口」を通って、通常通り歩行者と同様に斜面を通行するのは、危険を伴い困難です。
ですが、馬籠宿の中心にあたる観光案内所付近は、入口付近と比べ斜面がなだらか(傾斜5度~7度くらい)で、車いすでもなんとか通行できました。
ただし、石畳なので雨などで濡れている場合は、タイヤが滑り危険もあるので注意が必要です。

今回簡易電動車いすで通行したルート

藤村記念館

明治・大正・昭和の三代にわたって活躍した、岐阜県中津川市馬籠出身の島崎藤村の文学館です。
藤村記念堂、ふるさとの部屋(DVDコーナー)記念文庫(研究室)、第二文庫(企画展示室)、 第三文庫(常設展示室)などの建物があり、一巡すると島崎藤村の生涯をたどることができます。
常設展示室には、処女詩集『若菜集』から絶筆『東方の門』までを展示しています。

街道側の入り口、段差があります
本陣跡に建てられた藤村記念堂です
手入れされた庭園に入る事も出来ます
第二文庫、車いすは裏口からエレベーターで行けます
第二文庫裏口からエレベーターへ

 

ご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。

 

付録:今回簡易電動車いすで通行したルート

 

上の駐車場B-1に駐車します
北口という小さい標識の道に入ります
道を下っていきます
この坂は傾斜3度くらいです
ほぼ平坦の道を進みます
左の道と合流します
合流する地点を過ぎると、左に脇道が見えます
脇道に入ります
そのまま道を進みます
右に無料休憩所が見えます、ここを右に曲がります
馬籠宿街道に入り、観光案内所付近まで下れます

 

バリアフリー現地調査2018 海津

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 海津

平成30年10月16日

治水神社

アクアワールド水郷パークセンター

海津市歴史民俗資料館

を調査させていただきました。

岐阜県の南西にある海津市は、平成の大合併により南濃町、海津町、平田町の旧海津郡に属する3つの町が1つの市となりました。
西側に三重県境があり、養老山脈が南北に連なっていて、揖斐川長良川木曽川の濃尾三大河川が合流する地形となっています。
また、旧海津・平田町域の、ほぼ全域が「海抜ゼロメートル地帯」で、輪中の地として有名です。

治水神社

治水に尽力した薩摩藩士の功績を讃え、平田靱負大人の遺徳を偲び、犠牲となった多くの藩士達を慰霊している神社です。
昭和13年に、平田靱負大人(ひらたゆきえうし)を御祭神として創建されました。
毎年春(4月25日)と秋(10月25日)には義士の遺徳を偲び、慰霊祭が行われており、薩摩藩であった鹿児島県からも多くの方が来られるそうです。

この神社に参拝すると、水難避け、家内安全、交通安全にご利益があると言われています。

 

治水神社
宝暦治水工事に命を捧げた薩摩義士を祀っています
宝暦治水由緒書
宝暦治水由緒書

由緒書によると、江戸中期、木曽三川の水害で悩む濃尾平野西南部の住民を救うため、幕府は薩摩藩にお手伝い普請を命じました。
薩摩藩士らは、この地方の住民のため、経験したことのない水の流れに苦しみながら、多大の犠牲を払い工事を見事完成させました。

治水観音堂
治水神社の駐車場内にある治水観音堂

神社の北西側、朱色の隼人橋を渡ったところに「治水観音堂」があります。中には治水観音堂大菩薩像と、その慈翼に工事の犠牲となった薩摩義士の位牌が祀られています。

順路1 岐阜方面から南進し木曽三川公園南端の、県道106号と県道220号交差点を右折します
治水神社の入り口
徒歩での治水神社入口は交差点横にあり急な階段になっています
順路2 交差点直ぐに、治水神社の駐車場入口があります
順路3 幅が狭く、急な斜面ですので注意が必要です
治水神社の駐車場
駐車場の路面は砂利で、神社へは少し傾斜があります
本殿正面の段差
本殿正面には段差が1段あり、車いすは段差の低い東側から入れます
治水神社の公衆トイレ
公衆トイレがありますが、入口に段差があり和式便器で、車いすでの利用は困難です

アクアワールド水郷パークセンター

国営木曽三川公園中央水郷地区、海津市にある公園です。
環境教育に関する情報の発信、活動の支援を行う拠点になっています。
学校やサークルなどの団体で体験できる体験工房があり、NPOによる体験教室も行われています。

住宅展示場だった建物を再利用した学習棟が建ち並び、オランダをイメージした高さ20mの風車と、ハスで埋め尽くされた義呂池があり、ゆったり出来る公園になっています。天気の良い日には園内を散歩する人や、キャンパスに絵を描く人も見られます。

園内への出入り口
駐車場からは段差がありますが、幅広いスロープで解消されています
総合案内所
園内に入ってすぐ左側に総合案内所があります、階段のほかスロープもあります
車いすマークのトイレ
入ってすぐ右に車いすマークのトイレ
環境学習センター出入り口
環境学習センター入口、若干段差あり
勾配が急なスロープ
各体験場の入口には、スロープがあります
アーチ橋
風車のあるエリアに繋がる橋は、幅広くタイル敷のアーチ橋になっています
堀田エリア
風車の先に「堀田エリア」があります

この地域の昔の米作りを体験するために、掘田で稲作が行われていました。

義呂池の畔、ゆったりとした風景があります

海津市歴史民俗資料館

1階には高須輪中変遷劇場(4600分の1の地形模型)があり、2階は「輪中と低地の農業」についてのパネル展示や、農具や民具の展示があり、3階は高須松平藩の御館の一部(玄関から書院の間の主要部分、能舞台、50畳の広間)が復元されていました。

海津歴史民俗資料館の外観
外観は高須松平藩の館のような3階建ての資料館です
海津歴史民俗資料館の正門
車いすの場合など、正門のインターホンで資料館裏口の扉を開けてもらいます
車いす使用者の迂回路を示す立て札があります
関係者通用口
関係者通用口の幅は広く、段差もありません
身体障害者対応エレベーター
身体障害者対応エレベーターで、2階の総合受付に行きます
総合受付
総合受付では、車いすの貸し出しも行っています
高須輪中変遷劇場
高須輪中変遷劇場(4600分の1の地形模型)は、ビデオの説明に沿って明治24年の地形から現在の高須輪中に変化していく模型になっています
2階は「輪中と低地の農業」についてのパネル展示や、農具や民具の展示があります
3階は高須松平藩の御館の一部が復元されています
3階からは、当時の高須松平藩城下町があった風景(旧海津町)が一望出来ます
玄関出入り口
2階が玄関出入り口になっていて、入口横で入場券を発券しています
玄関出入り口へは、幅が広く、中央に手すりのある、長いスロープとなっています
屋外は砂利が敷いてありますが、中央に石畳の通路があり、車いすも通れます
駐車場への通路にある段差には鉄製のスロープ
堀田が再現され、小学校が米作りを行っています
加藤ディーゼル機関車
1954年から1970年にかけて行われた堀田の埋め立て工事の土砂の運搬に用いられたディーゼル機関車が展示されています

治水神社や海津市歴史民俗資料館を訪れて、「輪中と低地のくらし」について知らなかった事を沢山学ぶことが出来た調査でした。

取材への協力有難うございました。

今回の調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。