バリアフリー現地調査2018 郡上市

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2018 現地調査 郡上

平成30年3月2日

郡上市八幡町

さんぷる工房
サンプルビレッジいわさき

郡上市大和町

古今伝授の里フィールドミュージアム

を調査させていただきました。

郡上八幡は、「清流が流れる城下町」、「郡上おどり」とともに「食品サンプルの町」としても知られています。

さんぷる工房

さんぷる工房 本館は、郡上八幡の古い町並みの中にあり、築150年の町家を改装した建物で、食品サンプルグッズの販売・展示や制作工房の見学ができ、食品サンプル作りの体験(要予約)もできます。

町家に木製看板が特徴のさんぷる工房 本館

郡上八幡旧庁舎記念館の前にある駐車場に車を停めて、吉田川にかかる宮ヶ瀬橋のそばの「さんぷる工房」まで移動しました、徒歩3分ほどです。

郡上八幡旧庁舎記念館前の駐車場

入口を入るとすぐに食品サンプル販売コーナーがあります。
通路は広く車いすでもスムーズに通行できます。隣が体験受付になっています。
食品サンプルのキーホルダーや置物などの小物から、壁掛け時計までいろいろ置いてあり、精巧に作られたサンプルを手にとって眺めていると楽しくなってきます。古い町家を改装した店内の梁や柱、漆喰の壁もレトロな雰囲気を醸し出しています。

入口付近の食品サンプル販売コーナー

奥へ進むと、通路の両側がサンプル作りコーナーになっていて、通路を抜けた奥に制作工房があります。

奥へ抜ける通路の幅は若干狭いので通行に注意が必要です。通常タイプの車いすや簡易電動車いすは問題なく通行できました。

奥への通路

奥の扉を出るとベンチが置かれ休憩できる中庭やトイレがあり、その脇に「制作工房」があります。

制作工房でカウンター越しに食品サンプルを作っているところを見学でき、置いてある食品サンプルの見本も手にとって触る事ができます。

制作工房では間近でサンプルが作られていく様子を見られます

さんぷる工房は、郡上八幡の城下町を散策しながら立ち寄れ、古民家の雰囲気を満喫しながら、サンプルが作られていく様子を見学したり、手軽に食品サンプル作りを楽しむことが出来ます。
また、本館から歩いて5分の殿町には、カフェを併設した「北町館」もあります。

サンプルビレッジいわさき

郡上八幡に生まれ育った岩崎瀧三氏は、昭和7年に大阪で食品サンプルの事業化に成功し「食品サンプルの産みの親」と言われています。
昭和3 0 年に、故郷八幡に岐阜工場を開設し「岩崎模型製造」として、現在も郡上八幡でサンプルの制作が続けられています。

「サンプルビレッジいわさき」は、歴史あるサンプル作りの技術を生かし、一般の方にも手軽にサンプル作りの体験ができる施設となっています。

 

入口そばには、食品サンプルの産みの親の岩崎瀧三氏の銅像

長良川鉄道の郡上八幡駅から徒歩5分ほどにある「岩崎模型製造株式会社」の社屋の横の、大きな鮎の模型をくぐって「サンプルビレッジいわさき」の入口を入っていきます。

施設内は広々としていて、車いすでもすれ違える十分な広さがあります。
入るとすぐに体験コーナーがあり、団体客にも対応できるよう広いスペースが設けられています。
奥へ進むと、食品サンプルが展示・販売されています。食品のサンプルだけでなく博物館などの展示に使われる模型や巨大な昆虫の模型のほか、岩崎模型製造の歴史や写真コーナーなどもあり、郡上八幡が食品サンプルの町として知られるようになった変遷も分かります。

写真コーナーで大きなパフェのサンプルと記念撮影

販売コーナーには飲食店で見かけるものから果物、ストラップやペン立てなど沢山の種類のサンプルがあり、通路も広く車いすでもゆっくりと見ながら買い物が出来ます。

販売コーナー

サンプル作りコーナーでは、天ぷら&レタス・お寿司など10種類ほどから作りたいものを選んでサンプル作り体験が出来ます。(要予約)

レタスのサンプル作りの様子、ちょっとしたコツをスタッフから伝授してもらい完成しました

車いすなど、障がいがある場合でもスタッフにサポートしていただきながら体験させてもらえますので、相談してみると良いでしょう。

サンプルビレッジいわさきでは、職人さんの技が作り出す様々なサンプルを見ることが出来、郡上八幡が食品サンプルの町として知られるようになった歴史も知ることが出来ました。

古い町並みの中にある「流響の里」内にもサンプルビレッジいわさきの店舗があり、予約無しでサンプル作り体験ができるそうです。

古今伝授の里フィールドミュージアム

郡上市大和町にある「古今伝授の里フィールドミュージアム」は、自然と調和した美しい野外博物館です。

長良川の支流、栗巣川に沿って家々や田畑が連なる牧地区は、篠脇連山の麓に開けた集落で、鎌倉時代から戦国時代はじめにかけ、領主・東(とう)氏の拠点がおかれた地域です。
フィールドミュージアムは、山並み、川、家並み、田畑、歴史的な遺産を含めた東西2kmに及ぶ一帯の野外博物館で、メインの建物は段田であった元の地形をそのまま生かし分棟になっていて、東氏記念館・大和文化財収蔵展示館・和歌文学館・短歌図書館大和文庫・和ショップよぶこどり・レストランももちどり・茶屋いなおほせどり・篠脇山荘などがあります。

県道から駐車場への入口

建物から道をはさんだ反対側には、昭和62年に国の名勝に指定された東氏館跡庭園やぼたん園がありますが、あいにく今回は雪がまだ残っており、散策することが出来ませんでした。

道路を挟んだ向かいには東氏館跡庭園

東氏記念館・大和文化財収蔵展示館・短歌図書館大和文庫と受付のあるインフォメーションセンターの建物は入口にスロープがあります。
駐車場からこの建物のあるところまでの道は、坂道の勾配が強いので、車いすで上るときは付添いがいたほうが良いでしょう。
この建物の前までの通路は道幅が広く、車で上がることも出来るため、車いすの場合は受付に申し出れば駐車をさせていただけるそうです。

インフォメーションセンター入口のスロープ

「和歌文学館」は、古今和歌集の代表歌を絵巻で紹介されています。
建物は山の斜面に建つ立体回廊型になっていて、大きな開口のガラス窓には川や庭園が借景として映り、光が差し込んで開放的な空間となっています。
館内も高低差がかなりありますが、スロープが設置されているので車いすでも観覧できます。
インフォメーションセンターの建物から和歌文学館まで屋外の通路には、石畳部分があり、文学館前の坂は傾斜が少し強くなっていましたので、車いすで通行する際は横の池などに落ちないように注意が必要です。

和歌文学館への通路の坂道

フィールドミュージアム周辺一帯には稀少植物も豊富で、春には、セツブンソウ(絶滅危惧種)が群生し、カタクリやコバイモ、アズマイチゲなども多くみられ、秋には、池の水面に映り込む紅葉と竹林の景観も見応えがありそうです。
雪がない時期には、庭園の方もゆっくりと散策すると良さそうです。

 

ご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。