バリアフリー現地調査2017 高山市内2


GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2017 現地調査 高山市内2

平成29年11月1日

ペンション はなつばき
飛騨高山美術館
飛騨の里

を調査させていただきました。

ペンション はなつばき

「ペンション はなつばき」は、高山駅から車で12分ほど(約5km)の、市中心部から南東方向に少し入った小高い丘の上にあります。

乗鞍岳や槍ヶ岳が見える丘の上にあり、椿色の建物が特徴です

客室は洋室バリアフリー1、洋室2、和洋室1、その他、大浴場、ダイニングルームもあります。

 

国道361号から少し入った場所にあるので、看板を見落とさないようにします。

館内は、車いすでも過ごしやすいように工夫されていて、入口にはスロープ、客室やダイニングルームも段差なく、お風呂も浴槽の横まで車いすで行くことができます。

入口は緩やかなスロープになっています。

2000年には岐阜県の「GIFUバリアフリー賞」を受賞され、扉の取っ手を大きめの物にして使いやすくしたり、テーブルの高さを調整できるようにスペーサがあったりと、随所に工夫が施され快適に過ごせるようになっていました。

客室内のトイレも車いすで行けます。

 

飛騨高山美術館

高山駅から、南西方向へ約2kmの少し山を登ったところにある、ヨーロッパの雰囲気が漂う、ガラスと19世紀末工芸作品のインテリアが中心の美術館です。

アールヌーボーなどの作品展示だけでなく、デザインされた建物や庭園の景観、北アルプスの眺望も見事です。
館内は段差もなく多目的トイレや車いす対応エレベータなどバリアフリーに配慮して設計されていますので安心して過ごすことが出来ます。

ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの3つ星を獲得したそうです。

 

庭に置かれたロンドンの2階建てバス

最初の展示室「ルネ・ラリックの噴水ホール」では、高さ3mの噴水が定期的に吹き出し、ホールの光が七色に変化していきます。

アール・デコ期のガラス芸術作品として世界で唯一現存するガラスの噴水だそうです。
展示室は通路も広く、車いすでも見やすい高さに展示されています。
渡り廊下では北アルプスを望むことが出来ます。

飛騨高山美術館のブログで、今回の調査のことを紹介していただきました。
飛騨高山美術館ブログ「ぬぼでこ」:「バリアフリー観光を推進する美術館を目指しています。

 

飛騨の里

飛騨高山美術館から、少し登っていったところに飛騨民俗村「飛騨の里」があります。

秋も深まり木々は紅葉して合掌造りの民家と調和し、日本の原風景を見ているようでした。

合掌造り(7棟)や、飛騨の古い貴重な民家(8棟)が移築復元され、農山村の暮らしや、飛騨に伝わる季節の行事を再現している集落博物館です。
随時色々なイベントも開催され、夜は期間限定でライトアップも行っています。

里山を再現しており、山の斜面にあるため、駐車場から入口受付や、園内の奥の方は坂道になっています。

第1駐車場から受付方面へは傾斜がキツイ坂があり、手すりが設置されていました。
池の周りを中心に通路は舗装されていて、車いすやベビーカーでも通行しやすくなっています。
池には鯉や鴨が泳いでいます。桟橋は車いすでもアクセス可能で、柵もあり安全に餌やりも出来ます。
山の斜面には舗装されていない場所もあり、車いすはサポートが必要です。
奥のほうへ行くと坂道の傾斜もキツくなり、車いす単独だと登っていくのは困難です。

今回は、簡易スロープを2つ持参したので、古民家の入口には必ずある「敷居」を、スロープで跨いで車いすでいくつかの建物内にも入ってみました。

段差ごとにスロープを架けながら移動しました。
スロープを置き直し、また途中まで移動。
最後に敷居にスロープを架けて、建物内に入れました。

一部舗装していない所にも行ってみましたが、園内の主要な部分は舗装された通路が整備されており、ちょっとした段差やキツイ傾斜の部分などをサポートしてもらいながら車いすでも大部分を周ることができました。

今回の取材で実際に車いすで周ったルートです。

 

今回は、高山市内でも「古い町並み」ではなく中心部から少し離れた所にある、宿泊施設、屋内施設、屋外施設と3つの異なる施設に取材に伺いました。
施設の規模や周辺環境、地形など、それぞれ難しさもあるのではと感じましたが、「バリアフリー」に向き合って、多様なお客様を迎え入れるために工夫されていました。

ご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。