バリアフリー現地調査2017 観光ヤナ(長良川水系)


平成29年9月、長良川水系にある「観光ヤナ」にお邪魔しました。

「やな(梁)」とは、河川の一部を石などで流れをせき止め、竹や木などで出来たスノコ状の台で水だけを流し、流れてくる魚を捕まえる漁法のことです。

岐阜県では県内の各河川で6月~10月までの期間、鮎を獲るヤナが設置され、「観光ヤナ」として、食事や魚を捕まえる体験をして楽しむことが出来るよう営業しています。

これからは、鮎の産卵期を迎え河口へ下る「落ち鮎」のシーズンになり、ヤナには沢山の鮎がかかるそうです。

清流の畔で自然に触れながら美味しい鮎を食べるのは格別ですね

今回は、清流長良川水系の観光ヤナ3ヶ所に伺って取材させていただきました。

美山観光やな・・・武儀川

洞戸観光ヤナ・・・板取川

のどかの味処みやちか(美並観光ヤナ)・・・長良川本流

美山観光やな

谷を流れる渓流の隠れ家的な場所です。

山県市(旧美山町)にある「美山観光やな」は、長良川の支流「武儀川」にあり、ヤナ場とお店に行くには、道路沿いの駐車場に車を停めて急な坂道を下りていきます。

特別天然記念物のオオサンショウウオも棲むという渓流の水は、とてもきれいで透きとおっていて、爽やかな緑に囲まれ鳥や虫の声を聞きながら、アットホームな雰囲気でのんびりと過ごせる場所です。

平日は比較的ゆったりと過ごせるそうです

車いすや歩行が困難な場合は、事前に連絡してお願いすれば、坂道を下りた所の業務用のスペースに車を置いて、安全にお店まで移動できます。
店内にも段差なく入れるようにスロープも設置され、イス席、手すり付きの広めの洋式トイレもあるので安心です。

 

洞戸観光ヤナ

河原も広く団体客も多い洞戸観光ヤナ

関市(旧洞戸村)にある「洞戸観光ヤナ」は、長良川の支流「板取川」にあります。
河原も広く、ヤナ場へも行きやすく、観光バスも駐車できる広い駐車場も備えており、店内の席数もかなり多いので、団体客にも対応できる大型の観光ヤナです。
イス席も沢山あり、テーブルにはコンロが設置されていて、自分で鮎を焼くことが出来ます。

舗装されスロープもあるのでヤナ場のそばまで車いすでも行けます

釣り堀や魚のつかみ取りも出来るほか、お土産売場も充実しており近隣の特産品が購入できます。お店のそばに、車いすマークの駐車場があり、多目的トイレも設置され、貸出用の車いすもあり、子どもからお年寄りまで楽しめる大型の施設です。

 

モネの池

洞戸観光ヤナの近くにある「モネの池(名もなき池)」にも寄ってみました。

池の周りは砂利敷ですが、車いすマークの駐車場やトイレも整備されていました。

湧き水により自然にできた池は地域の方たちの手により整備され睡蓮も植えられました。SNSなどで話題になりクロード・モネの名画に似ているということで「モネの池」と呼ばれています。

 

のどかの味処みやちか

国道沿いに建つお店は、ガラス張りで長良川を眺めながら快適に過ごすことが出来ます。

郡上市(旧美並村)にある「のどかの味処みやちか」は、「長良川」本流にあり、お店やヤナ場のある場所は、明治・大正・昭和の皇室に献上する鮎を捕獲した宮内省御陵場だったそうです。

お店のそばに、車いすマークの駐車場、入口は自動ドアで、店内には車いすマークのトイレもあり、店内外にも殆ど段差もなく安全・快適に過ごすことが出来ます。
枕木で造られたウッドデッキへも自動ドアから行く事が出来、川のせせらぎを聞きながら食事を楽しむことも出来ます。
河原にあるヤナ場までは、車で下りることが出来るため、車いすや歩行が困難な場合でも大丈夫です。

こちらの店で出される鮎は、すべてヤナにかかった天然の鮎だそうです。

長良川の流れが間近に感じられます。長良川の鮎は「世界農業遺産」に登録されています。

ご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。