ユニバーサルマナー検定 in 岐阜 開催しました

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクトでは、観光施設のバリアフリー状況の調査・取材し「ふらっと旅ぎふ」で紹介する他、受け入れ体制の向上のため、先進的な取り組みを紹介したり、障がいのある方や高齢者の課題などを学び接遇技術の向上やサポート体制を強化するための研修等も行なっています。

12月19日(火曜日)、長良川温泉 十八楼にて「ユニバーサルマナー検定in岐阜」を開催しました。

昨年度に引き続き開催した、このユニバーサルマナー検定は、日常生活を営むのに困難が生じる高齢者や障がい者など、多種多様な人への対応のスキルの知識の習得・向上につなげるための検定で、岐阜県中津川市出身の障がい当事者で車いすユーザーでもある、垣内俊哉さんが代表取締役を務める株式会社ミライロが考案したもので、全国各地で講座が開かれ企業や公共団体などにも広がっているそうです。

講座の様子 講師はミライロの原口さん

今回のユニバーサルマナー検定in岐阜では、岐阜長良川温泉旅館協同組合の7つの宿泊施設の従業員の皆さんをはじめ観光関係者60名の方が受講され、高齢者や障がい者への向き合い方 、どんな人がどんなことに困るのか、困った時のお声がけ方法などについて、自らも全盲の視覚障がいがある株式会社ミライロの原口淳さんの話を聞きながら熱心に学んでいました。

岐阜県観光企画課より岐阜県のバリアフリー観光推進の取り組みについて説明

岐阜県 商工労働部 観光国際局 観光企画課の堀課長の挨拶の後、観光企画課の今村担当より、観光産業の動向やバリアフリー観光の可能性、岐阜県のバリアフリー観光推進の取り組みについて発表を行いました。

ユニバーサルマナー検定3級講座では、原口講師ご自身が障がい当事者として、地域で生活される中での経験などもまじえて分かりやすく話をされました。
120分の講義では、講師の説明のほかグループワークや演習問題にも取り組み、普段は気づかない困りごとや、何気なく目にするマーク、身近にあるバリアについて考察する機会となりました。

ユニバーサルマナー検定3級講座ではグループワークも行い、身近なバリアについても話し合いました

参加された全員がユニバーサルマナー検定3級を取得されました。
今回学んだことが日常の業務に活かされ、岐阜県に訪れる様々な方に快適に安心して過ごしてもらえるように繋がっていけばと思います。

多数のご参加、有難うございました。

岐阜新聞 2017年12月20日掲載 仲居ら「マナー検定」取得 長良川温泉魅力アップ

今後も、セミナーや研修を開催していきますので、是非ご参加ください。

 

バリアフリー観光推進セミナー in 下呂 開催しました

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクトでは、観光施設のバリアフリー状況の調査・取材をさせていただきWEBサイト「ふらっと旅ぎふ」等で紹介する他にも、受け入れ体制の向上のため、バリアフリーの先進的な取り組み事例を紹介したり、障がいのある方や高齢者の課題などを学び接遇技術の向上やサポート体制を強化するための研修なども行なっています。

11月20日(月曜日)、下呂市交流会館アクティブにて「バリアフリー観光推進セミナーin下呂」を開催しました。

岐阜県観光企画課より岐阜県のバリアフリー観光の取り組みを紹介

講演 先進事例の紹介

午前中の講演では、先進的にバリアフリーツーリズムに取り組んでいる事例を紹介するということで、松江しんじ湖温泉 旅館「なにわ一水」代表取締役 勝谷有史さんに、「バリアフリー化で売上アップ、お客様も従業員も笑顔に」というテーマでお話いただきました。

平成28年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰 内閣府特命担当大臣表彰優良賞を受賞されたなにわ一水の勝谷社長

島根県松江市の宍道湖の畔に建つ1918年創業の老舗旅館「なにわ一水」では、「旅館のバリアフリー化は、商売としても従業員にとっても、十分な合理性があり、将来に向け重要な取り組みである」をモットーに、障がいのあるお客様を積極的に受け入れ、10年前から、4階、3階と段階的にバリアフリー対応をすすめ、昨年、2階に全国屈指の広さの露天風呂付きバリアフリールームもオープンされたそうです。

その他にも、パブリックスペースに「多目的トイレ」を2箇所設置、宿泊業界では前例のない、車いすが2台乗れるタイプの「送迎用マイクロバス」の導入のほか、聴覚障がいのあるお客様とのコミュニケーションを円滑にするための「筆談ボード」の導入や、視覚障がいのあるお客様が触れて設備などの位置が分かる「触知地図」の配付など、様々な面で積極的にバリアフリーに取り組まれています。

経営者でありながら車いすの介助もこなす、なにわ一水の勝谷社長。手に持っているのは、実際に導入されている「筆談ボード」。

セミナーに参加された方からは、建物や設備などの「ハード面」だけでなく、スタッフの接遇向上などの「ソフト面」の強化が重要で、バリアフリーへの取り組みは、お客様のためだけでなく、旅館で働くスタッフの皆さんの利便性や意欲向上にもつながっていくという話がとても参考になったという感想を多くいただきました。

勝谷社長ご自身も、障がいのある方が暮らしやすい社会をつくることを目的とした「あいサポート運動」にも積極的に参加し、メッセンジャーとして誰もが暮らしやすい地域社会のための橋渡し役として活動されているとのことです。

なにわ一水では、旅館の和の佇まいにこだわりつつ、多様なお客様に特別な時間を安心して楽しんでいただくために、勝谷社長はじめ社員の皆さんで、設備だけでなくおもてなしにも様々な工夫や努力を重ねておられる点が、お客様に好評をいただいているのではないかと感じました。

研修 バリアフリーおもてなし講習

実際に車いすを操作しながら、施設内を散策しました

午後からは、バリアフリーおもてなし講習として、ふらっと旅ぎふに掲載する県内の観光施設のバリアフリー状況を調査するスタッフによる車いす利用者への接遇・サポート実習を行いました。

車いすに乗って操作し目線の低さや狭い場所の通過、段差の体験もしました

障がい者・高齢者、車いすについて座学で学んだ後、会場内に作ったコースや施設内のスロープ、トイレ、エレベーターなどを実際に車いすを自分で操作、車いすを介助する・されると立場を変えて利用していただきました。

スロープを体験中

参加された方からは、普段は気にならない小さな段差や坂道も、実際に車いすを操作してみると大きく感じ、車いすに乗っている人の気持になって接したり介助することが大切であるという感想をいただきました。

午前の講演、午後の研修の両方に参加された方もおられ、バリアフリー観光について深く学んでいただくことが出来ました。
障がいのあるお客様を受け入れるには、設備などのハード面と、人的な支援などのソフト面の両方が充実することが望ましいですが、すべての課題を一度に解決することは難しいので、出来ることからはじめていただき、多様なお客様に安心して岐阜県の旅行を楽しんでいただけるようバリアフリー観光推進に取り組んでいただけると嬉しく思います。

今後も、セミナーや研修を開催していきますので、是非ご参加ください。

バリアフリー現地調査2017 高山市内2

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2017 現地調査 高山市内2

平成29年11月1日

ペンション はなつばき
飛騨高山美術館
飛騨の里

を調査させていただきました。

ペンション はなつばき

「ペンション はなつばき」は、高山駅から車で12分ほど(約5km)の、市中心部から南東方向に少し入った小高い丘の上にあります。

乗鞍岳や槍ヶ岳が見える丘の上にあり、椿色の建物が特徴です

客室は洋室バリアフリー1、洋室2、和洋室1、その他、大浴場、ダイニングルームもあります。

 

国道361号から少し入った場所にあるので、看板を見落とさないようにします。

館内は、車いすでも過ごしやすいように工夫されていて、入口にはスロープ、客室やダイニングルームも段差なく、お風呂も浴槽の横まで車いすで行くことができます。

入口は緩やかなスロープになっています。

2000年には岐阜県の「GIFUバリアフリー賞」を受賞され、扉の取っ手を大きめの物にして使いやすくしたり、テーブルの高さを調整できるようにスペーサがあったりと、随所に工夫が施され快適に過ごせるようになっていました。

客室内のトイレも車いすで行けます。

 

飛騨高山美術館

高山駅から、南西方向へ約2kmの少し山を登ったところにある、ヨーロッパの雰囲気が漂う、ガラスと19世紀末工芸作品のインテリアが中心の美術館です。

アールヌーボーなどの作品展示だけでなく、デザインされた建物や庭園の景観、北アルプスの眺望も見事です。
館内は段差もなく多目的トイレや車いす対応エレベータなどバリアフリーに配慮して設計されていますので安心して過ごすことが出来ます。

ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの3つ星を獲得したそうです。

 

庭に置かれたロンドンの2階建てバス

最初の展示室「ルネ・ラリックの噴水ホール」では、高さ3mの噴水が定期的に吹き出し、ホールの光が七色に変化していきます。

アール・デコ期のガラス芸術作品として世界で唯一現存するガラスの噴水だそうです。
展示室は通路も広く、車いすでも見やすい高さに展示されています。
渡り廊下では北アルプスを望むことが出来ます。

飛騨高山美術館のブログで、今回の調査のことを紹介していただきました。
飛騨高山美術館ブログ「ぬぼでこ」:「バリアフリー観光を推進する美術館を目指しています。

 

飛騨の里

飛騨高山美術館から、少し登っていったところに飛騨民俗村「飛騨の里」があります。

秋も深まり木々は紅葉して合掌造りの民家と調和し、日本の原風景を見ているようでした。

合掌造り(7棟)や、飛騨の古い貴重な民家(8棟)が移築復元され、農山村の暮らしや、飛騨に伝わる季節の行事を再現している集落博物館です。
随時色々なイベントも開催され、夜は期間限定でライトアップも行っています。

里山を再現しており、山の斜面にあるため、駐車場から入口受付や、園内の奥の方は坂道になっています。

第1駐車場から受付方面へは傾斜がキツイ坂があり、手すりが設置されていました。
池の周りを中心に通路は舗装されていて、車いすやベビーカーでも通行しやすくなっています。
池には鯉や鴨が泳いでいます。桟橋は車いすでもアクセス可能で、柵もあり安全に餌やりも出来ます。
山の斜面には舗装されていない場所もあり、車いすはサポートが必要です。
奥のほうへ行くと坂道の傾斜もキツくなり、車いす単独だと登っていくのは困難です。

今回は、簡易スロープを2つ持参したので、古民家の入口には必ずある「敷居」を、スロープで跨いで車いすでいくつかの建物内にも入ってみました。

段差ごとにスロープを架けながら移動しました。
スロープを置き直し、また途中まで移動。
最後に敷居にスロープを架けて、建物内に入れました。

一部舗装していない所にも行ってみましたが、園内の主要な部分は舗装された通路が整備されており、ちょっとした段差やキツイ傾斜の部分などをサポートしてもらいながら車いすでも大部分を周ることができました。

今回の取材で実際に車いすで周ったルートです。

 

今回は、高山市内でも「古い町並み」ではなく中心部から少し離れた所にある、宿泊施設、屋内施設、屋外施設と3つの異なる施設に取材に伺いました。
施設の規模や周辺環境、地形など、それぞれ難しさもあるのではと感じましたが、「バリアフリー」に向き合って、多様なお客様を迎え入れるために工夫されていました。

ご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。

バリアフリー現地調査2017 オアシスパーク BBQキャンバス

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2017 現地調査 オアシスパーク BBQキャンバス

平成29年10月14日

オアシスパーク BBQキャンバス

で、地元の障がい者団体の行事でバーベキューを行うということで、取材させていただきました。

河川環境楽園オアシスパークは、東名高速道路の一宮JCT(愛知県)から小矢部砺波JCT(富山県)を結ぶ、東海北陸自動車道の川島PA(岐阜県各務原市)に隣接し、一般道からも高速道からも入れる屋外型レジャー施設です。

水辺と緑が豊富なパーク内には、アクア・トトぎふ(世界淡水魚園水族館)やオアシスホイール(大観覧車)のほか、子供向け遊具、芝生広場、飲食店、ショップもあり、家族連れ、友人、カップルなど誰でも楽しめる施設です。

オアシスパークBBQ CANVASでは、道具や食材の準備は不要で、グループに合ったコースから選ぶことが出来て、昼でも夜(冬季は昼のみ)でも、手ぶらで気軽に本格的なバーベキューが楽しめるようになっています。

今回は、ウッドデッキの「パークテラス」で、ベーシックBBQプラン(牛ステーキ、豚肉、ソーセージ、野菜、焼きマシュマロ)を利用しました。

コンロだけでなく、手袋、炭、まな板、ハサミ、トングなどの調理器具や食器、調味料やソースも準備され、調理の手順も、説明書に写真付きで掲載されているので、火おこしから肉の下準備なども簡単です。

ウッドデッキには、木製のスロープ(常設)もあり車いすでも安全にデッキに上がることが出来ます。利用した日には、仮設のスロープも架けてもらい、移動はとてもスムーズでした。
デッキ上は広くタープで日よけがされていて、テーブルも大きく車いすで利用しやすい高さで快適に過ごせます。すぐそばに、車いすマークのトイレもあるので安心です。

いわゆる「焼肉」ではなく、網で焼く「ステーキ」というようなアメリカンスタイルのバーベキューで、10時~16時までの6時間制なので、ゆっくりとおしゃべりしたり、パーク内を散策したりしながらゆったり過ごすことが出来ます。

飲み物やお菓子、食材の持ち込みもOKなので、メンバーや趣向に合わせて色々とアレンジも可能です。

バーベキューコンロ コンパクトでテーブルもついていて車いすでも側まで近寄れます
調味料を使ってステーキ用肉を仕込んでいます(手順も説明書に記載されています)
肉を焼きはじめました。うちわを使って火力を上げていきます
おしゃべりも弾んで、ゆっくりとBBQを堪能しています
シメは「焼きマシュマロ」です。焦らずにコゲ目をつけるまでじっくりと焼きます
仮設スロープを架けてもらいました

 

駐車場方面から園内へ入ったところに大観覧車とアクア・トトぎふ

 

天気もよく、楽しいBBQとなりました。

ご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。

バリアフリー現地調査2017 下呂温泉

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクト2017 現地調査 下呂温泉

平成29年10月17日

水明館

下呂温泉合掌村

を調査させていただきました。

水明館

水明館は、飛騨川の畔に建つ老舗旅館です。
大型の旅館で、臨川閣・飛泉閣・山水閣の3つの建物と青嵐荘からなり、館内には温泉プールやジム、エステ、各種レストラン、バーのほか能舞台や画廊などもあり、宿泊や温泉以外の施設も充実しています。

下呂駅から徒歩3分でアクセスもよく、館内は庭園、能舞台や茶室など和の佇まいでゆったりとした時間を過ごせます。

日本庭園では、四季折々の景観を楽しめます。

客室は、4つの建物あわせて263室、和室のほか、和洋室、洋室など色々なタイプの部屋があり、利用しやすい部屋を選ぶことが出来ます。
車いすの場合、山水閣や飛泉閣の洋室はベッドがあり利用しやすくなっています。

山水閣2階の洋室、室内は広く、段差がありません。
バス・トイレも広く、部屋によって少し段差がありますが、サポートしてもらうか簡易スロープを使用して車いすでも利用できます。

館内の移動については、建物の連結部分に高低差があるため、数段の階段がありますが、付近にスロープが設けてあり、車いすでも安心です。

山水閣入口の階段、横のスロープには手すりが設けられており安全に通行できます。

ビュッフェスタイルの朝食会場には、「配膳カート」が準備されていました。
トレイを両手に持って料理を取りに行くビュッフェですが、このカートを使えば杖をついていたり、車いすを使っていても、自分で料理を選ぶ事が出来て、朝食も楽しみな時間になりそうです。

軽く、車いすでも使用しやすいカート。

下呂温泉合掌村

下呂温泉合掌村は、使わなくなった合掌造りの民家を移築し、集落を再現した野外博物館です。

竹原文楽記念館(旧遠山家)、人形が展示されています。 入口には段差がなく、車いすでも中に入れます。

「合掌の里」と「歳時記の森」の2つのゾーンからなり、「合掌の里」では、合掌造りや古民家を利用した民俗資料館や、体験工房があり「陶器の絵付」「陶芸体験」などができます。
合掌造りの古民家のほか、神社や池、植栽や庭園も集落をイメージしており、当時の里山の雰囲気を感じることが出来ます。

また、休憩所や授乳室、多目的トイもあり、通路も舗装されていますので車いすやベビーカー、杖を使っている方にも利用しやすくなっています。

駐車場は、200台(無料)、車いすマークの駐車場は受付横にあり村内へ段差なく入ることが出来ます。(一般駐車場は坂をおりた所にあります)
下呂駅の濃飛バスセンターから、合掌村線で約6分、「合掌村」下車。

入口の受付、こちらも旧家を移築された建物を使用しています。
合掌の里の円空館方面だけは傾斜のキツイ坂道があります。 車いす(手動)の場合はサポートがあったほうが安全です。
旧大戸家住宅(国の重要有形民俗文化財)前の撮影ポイント。 記念に撮影させていただきました。

前日までの雨もあがり、秋晴れの中、無事調査を終えることが出来ました。
ご協力、ありがとうございました。
調査データは、取りまとめなどを行ない順次ふらっと旅ぎふへ掲載していきます。